2013年1月7日月曜日

オリオンの三ツ星を同時に見よう。

オリオンの三ツ星を同時に見よう。


同時の種類を極めると、いままで特殊相対性理論に
翻弄されていたトリックが見破れます。驚きの単純さ。
それでいて、イメージするという困難さを知ることに
なるでしょう。

もう少し、おつきあいください。


壁の手前、40センチのところに立ってください。
壁に30センチ定規2つが張り付いているのを
イメージします。















30センチ定規2連結で、
全長60万キロメートルの超ロング列車1輌を見立てます。

頭部に眼孔が2つありますが、一つ目小僧になって、
一眼(いちがん)の大きさをピンホール(点)にします。

頭部の大きさが、ピンホールカメラの筐体です。

ピンホールから壁に垂線を下すと40万キロメートル。
ピンホールから列車両端への斜線が50万キロメートル。












超ロング列車と壁面とピンホールカメラは、互いに位置を
変えません。相対的な位置関係が恒常的に同じ。

列車中央で光子を列車左端と列車右端に放ちます。

アインシュタインの思考実験では、1秒後に光子が
両端に辿り着きます。ここでも同じです。

壁を前にした思考実験でも同じ結果です。

しかし、ピンホールカメラ、カメラだけど連続撮影のビデオ。
壁を前にした観察者にはどのように見えるでしょう。

ここで、観察者と観測者という用語を使います。

いままでは観測者という測る機械だけが
物理学に登場してきました。

観察者という新しい概念はなんでしょうか。
これを習得していただきたいのです。

量子力学の観測問題が、観察者という概念を使えば、
新たな地平が拓(ひら)かれます。

21世紀の物理学の基礎となる、観察者という概念。
注意深く追っていきましょう。


ピンホールカメラは観測者です。なにを測るのでしょうか。
正式名は、ここではピンホールビデオですね。

事象の同時性と、事象と事象の時間差を
ピンホールビデオで確認します。

事象としては、

t=0 列車中央で光子が列車両端に放たれる。
t=1 光子が列車両端に到着。

これは観測でも観察でもありません。
数学者が行う座標上の計算で求まる思考実験です。

光速度一定は決まりですからね。

ピンホールビデオが、「列車中央で光子が放たれた映像」
確認できたのは、40万キロ÷30万キロ毎秒=4/3秒

t=4/3秒後

「列車両端に光子が到着した映像」は、
1秒+50万キロ÷30万キロ毎秒=1+5/3秒

t=1+5/3秒後


これを使って、
特殊相対性理論で言われていた同時性破綻。
同時性破綻そのものがなかった。

また、ローレンツが長さがどうのこうの言っていた呪縛を
解(ほど)いていきましょう。

長さや同時性を座標内で計算するだけではなく、
長さや同時性をいかに座標に記述していたか。

それを検討します。

情報が瞬間に伝わる世界では不要だった手続きが、
電磁気学の登場によって必要になったのです。

観察は、映像です。映像が空間を伝わって、
観察者のいる地点に、生々しく光子群をぶつけます。

数学者が使う、もちろん最先端の数学者は、
私がこれからやる手法なんて、とっくに開発済みだと思いますが、

光子によってもたらされる情報が遅延を含んだものである。
この事実を物理学者はもっと真剣に検討すべきだったのです。

数学者は超越的に座標内任意の点の状態を摂取できます。

しかしどうでしょう。物理学は実験です。

実験装置を実験空間内に配置し、あとでビデオ再生すれば、
たとえば、列車両端に光子が t=1 に到着したことが
確認できます。

だから、いったん、実験環境が整備されたあとは、
数学者が普通に用いる座標空間を超越的態度で
使っても問題ありません。

しかし、実験環境を整えるときはどうでしょうか。
実験空間は、座標空間と同じものなのでしょうか。

実験を用意する観察者は、どのように観測機を
配置するのでしょうか。

数学者と違って、物理学者は、この広い3次元空間と、
おもわれてるところから、実験空間を切り出します。

それまでは、空間内の存在で、
超越的存在ではありませんでした。

実験空間を用意した段階で、実験空間は座標空間となり
超越的態度を行使できるようになるのですが、

その手前でなにがあったのか。

それを幼稚なイメージで解明していきましょう。



では、ここで復習です。

アインシュタインは慣性系内では同時の事象が、
基準系から観測すると、同時ではないと。

列車左端に先に光子がぶつかって、あとで列車右端に。
列車が、基準系から見て、右進行のとき。


基準系のどこで、

列車左端と光子が接触した時、
列車右端に未達の光子と、
光子不在の列車右端を

同時に見たのでしょうか。

数学者のように無限性のx軸上すべてを瞬時に知る能力は、
情報遅延によって、消え去ったのです。

さあ、3次元とおもわれる空間から
実験空間を切り出した手続き。を検討し、

実験空間内に超越的態度ができない観察者を
配置しましょう。



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20130107 05:25